「流星の人」

「流星の人」
1994.5.25 角川文庫
長い手紙のような文章と写真。
「流星の人よ、こんにちは。私はこれから、あなたにだけ、
わかる言葉で話します。」

あとがき

この文章は、表紙の写真をある日見て、流星の人という言葉がうかび、そのままつらつらと書きつけた、ひとつの長い詩か手紙のようなものです。
流星の人とは、私からすると、何かを見た時、した時、聞いた時、思った時、考えた時、触れた時、感じた時、いい気持ちになるとすると、その時の「何か」をさして言ったものです。人は自分がいい気持ちを感じたものの方へと成長して行くような気がします。ときめきとか、興味しんしんとか、ハッとするとか、そういうもの。
私にも流星の人がいて、それは時によって人だったり物だったり景色だったり雰囲気だったり言葉だったり、もっと別の何かだったりします。それらの破片をひろいあつめたら、ひとつのでどころを見つけたりできるのかなと思うこともありますが、とりあえず今はあやしくながめているところです。
雲がきれて陽がさすような、雲がわきでて陽をかくすような、気持ちで日々をすごしています。どちらの空の下でもそれぞれ、うってつけの用事がいつもあるといった切りかえのよさで。